料理の技に「ゆでこぼす」があります。
例えば、レシピを見たところ、
「牛すじは茹でこぼしてから使います」
と書かれていた場合、
茹でこぼしが分からなければ
レシピ通りに料理が作れないですよね。
私にとっては、
牛すじやもつはよく使う食材なので、
ゆでこぼす意味は分かります。
でも、昨日、そんな私にとっては
驚きの新たな発見があったのです。
野菜が美味しく食べられるからと
すごく気になっていた
バーニャカウダ。
そのソースを作ろうかなと
レシピをみたところ、
「にんにくは牛乳で茹でこぼす」
と書いてあったのです。
はっきりいって、
茹でこぼすという意味は
知っていたはずなのに、
ちょっとよくわかりませんでした。
そこで、料理技の一つ、
ゆでこぼすをもっと掘り下げて
よく使う材料別にご紹介します。
ゆでこぼすは茹でると比べると分かりやすい
○○をゆでこぼす(茹でこぼす)や、
○○を茹でこぼして(ゆでこぼして)は
もちろん同じ意味。
言葉をそのままとらえると、
ゆでこぼすとは
「茹でる+こぼす」ですね。
茹でるとは、肉や野菜を
お湯で火が通るまで煮ること。
そして、茹でた食材は、
おひたしにしたり、
好みの味付けをして仕上げます。
でも、茹でこぼしの言葉にある
「茹でる」は目的が違います。
その目的とは、
山菜や牛筋のように灰汁を取るためや、
里芋のようにぬめりを取るため、
もつのように臭みや脂を取るなど
素材の下ごしらえな意味合いのもの。
ざっくりまとめると、
食材を料理するとき、
必要ない成分を
ゆでこぼしという方法で取る
という感じですね。
ゆでこぼしの基本的な方法は、
食材をお水かお湯に入れて沸騰させ、
必要な時間沸騰させてから、
ざるにあけてお湯を切ります。
そして、もちろん、
切ったお湯は捨てるので
再利用はしません。
ただし、この茹でこぼすという方法は、
お湯を捨てるときに、
灰汁や臭みだけでなく旨味も一緒に
捨てることになります。
だから、ゆでこぼしは
できるだけ最低限に押さえるのが
料理を美味しく仕上げるコツ。
では、ゆでこぼす方法を使う
牛すじの茹でこぼしをご紹介。
ゆでこぼすの意味とは?牛すじや鶏肉にもつ、栗、小豆などに必見の技
牛すじの茹でこぼし方法
牛すじは牛すじ煮込みや
おでんにすると美味しいですね。
牛すじは牛の筋なので、
そのままでは固くて食べれないので。
そんな牛すじは、
灰汁がたくさん出るので
茹でこぼして灰汁を取る必要があります。
その方法は、
牛筋を水に入れて沸騰させます。
お湯が沸騰するにしたがって、
グレー(灰色・赤茶色)の泡が
ぶわっと浮き上がります。
そのまま沸騰させて、
1、2分経ったら、
ざるにあけてお湯を切ります。
あとは、牛すじを軽く洗って
あくを洗い流せば、
牛すじのゆでこぼしは終わりです。
次は鶏肉のゆでこぼしです。
ゆでこぼすの意味とは?牛すじや鶏肉にもつ、栗、小豆などに必見の技
鶏肉の茹でこぼし方法
鶏肉は灰汁や脂が少なめなので、
ゆでこぼしせずに
調理することがほとんど。
でも、鶏肉の部位によっては
ゆでこぼす方がいいものがあります。
それが、鶏ガラと手羽先。
鶏ガラはスープを取るためのもので
食べる部分はありません。
捌くのがヘタなお店や
出血大サービス?のお店の鶏ガラは
肉が多めについていたりします。
そんな鶏ガラは、
血液などの汚れがついていたり、
スープに灰汁はいらないので、
きれいに洗ってから
一度茹でこぼします。
その方法は、たっぷりのお水に
水できれいに洗った鶏ガラを入れ、
沸騰させます。
4,5分経ったら、
ざるにあけてお湯を切ります。
鶏ガラをよく見て、
内臓や血合いなどが残っていたら、
手や小さなスプーンなどで
取り除きます。
最後に、鶏ガラをお水で軽く洗ったら、
鶏ガラの茹でこぼしは終わりです。
次は手羽先。
手羽先といえは、
以前名古屋に住んでいた私には、
手羽先の唐揚げが思い浮かびます。
でも、手羽先はスープとしても
大人気なんですよね。
鶏の水炊きで有名な福岡の博多では、
水炊きのスープを手羽先で取るとか。
だから、手羽先のスープ用
というものも存在するほど。
手羽先の茹でこぼしは
鶏ガラと同じ。
たっぷりの水に手羽先を入れて、
強火で沸騰させます。
表面に灰汁や脂が浮いてきたら
ざるにあけてお湯を切ります。
そして、手羽先を水で洗います。
表面の汚れを落とせばOK。
あとは、手羽先で
コラーゲンたっぷりの美味しい出汁を
取りましょう。
ゆでこぼすの意味とは?牛すじや鶏肉にもつ、栗、小豆などに必見の技
栗の茹でこぼし方法
栗はほろっとして美味しい
秋には是非食べたいもの。
でも、栗は渋みがあるので、
栗の渋皮煮なら
アクと渋みはきっちり取るのが
美味しく仕上げる秘訣。
そのアクや渋みを取る方法が
栗の茹でこぼしです。
鬼皮を剥いた栗は、
たっぷりのお水にいれて
沸騰させます。
作り方によっては
このときに重曹を入れる場合も。
沸騰したら、
栗が踊らないくらいに火力を落として
15分くらい茹でます。
茹でている間は灰汁がでるので
こまめに取りましょう。
15分くらい経つと、
お湯の色は黒っぽく変わっているはず。
栗をざるにうつして、
お湯を切ります。
栗の渋皮煮では、
茹でこぼしは1度では足りません。
お湯の色が変わらなくなるまで
5,6回は繰り返すことに。
回数は重曹を使うかどうかによっても
違ってきます。
お気に入りのレシピで
茹でこぼしの作業をチェックしましょう。
ゆでこぼすの意味とは?牛すじや鶏肉にもつ、栗、小豆などに必見の技
小豆などの豆の茹でこぼし
和菓子には欠かせないあんこ。
あんこは小豆を甘く煮て作るので、
そのときに、
小豆を茹でこぼしますね。
ちなみに、
小豆って煮汁がむくみやお通じにいい
という話を知っていますか。
茹でこぼしの時間を長めにして
捨てるお湯を
飲んでみたこともあります。
味がなくて美味しくありませんが。
小豆を茹でこぼすのには、
お湯のゆくえは関係ないですね。
小豆を茹でこぼすときは、
たっぷりの水に小豆を入れて、
沸騰させた後
小豆をざるにあけてお湯を捨てます。
他の食材の茹でこぼしと
ほとんど同じ方法ですね。
小豆の茹でこぼしは
小豆の持つアクやえぐみを取るため。
だから、回数が多いほど、
上品?でいかにもというあんこが
出来上がります。
回数が少ないほど、
または0回となると
和菓子のあんというよりも
豆っぽい味がします。
私は小豆を茹でこぼさなくても
十分美味しいと思いますが、
おすすめしていいのかは分かりません。
小豆は茹でこぼしの方法で
出来上がりのあんの味が変わります。
小豆を煮るお気に入りレシピを
見つけておくといいですね。
ゆでこぼすの意味とは?牛すじや鶏肉にもつ、栗、小豆などに必見の技
まとめ
ゆでこぼすという意味を、
茹でこぼす食材を例にご紹介しました。
茹でこぼす方法は
食材が違ってもほとんど同じです。
でも、茹でこぼす回数や
沸騰してからお湯を捨てるまでの時間が
少しずつ違います。
この違いが食材を美味しくする
と考えると、
ゆでこぼしにも着目しつつ、
レシピを選ぶという手もありますね。